2020年4月スタートドラマ Part2
2020年4月7日~4月11日に第1話が放送されたものの中から、いくつか。
2話以降、観るべきか否かの判定を、星の数で表しています。MAX星3つ。かなり主観が強い文章ですが、だってただの私の感想だもの。悪しからず。
▶水曜 24:12 テレビ東京
「レンタルなんもしない人」 ☆☆(2)
Twitter上で流れてきて、1年ほど前からなんとなくフォローしていた「レンタルなんもしない人」。ちょっと変わった普通の人だと思っていたのに、あれよあれよと有名になって、本まで出して、ついにテレビドラマ化だなんて。しかも、ジャニーズが演じてるんだよ。すごいなぁ。
ゲームの頭数が足りないとか、1人じゃ行きづらいところについて来てほしいとか、ただ話しを聞いてほしいとか、なんもしなくていいけど、とにかく誰かが必要という人のところへ参上する活動をしている人。しかも報酬なし。交通費のみで依頼を受けている。
実働以外にも、「明日、試験だから『頑張って』って言ってほしい」とか、「ダイエットしたいから『デブ』って言ってほしい」とか、メールのやり取りだけで完結する依頼にも応じている。
妻も子どももいるのに、いったいどうやって暮らしているのかは、謎。とにかく、その不可思議な活動が話題を呼んで、こんなところまで昇りつめた、ユニークな存在だ。
その「レンタルなんもしない人」を演じるのは、NEWSの増田くん。素朴なビジュアルも、覇気のない佇まいも、喜怒哀楽がわかりづらい表情も、本人にすごく似ている。
初回は志田未来がゲスト。勤めていた出版社を解雇され、地元に帰る前に東京で思い出を作りたいから一緒について来てほしいと、彼に依頼をする。
聞いているのか聞いていないのか、ただ粛々とそこにいる「なんもしない人」に、とつとつと身の上話をする。つらかったこと、うれしかったこと、何てこともない思い出話。何を話しても、共感もアドバイスも説教もしない。そんなスタンスでいてくれることに、依頼者はほっとするのだ。
自分のことを全く知らない人にしか話せないような心の内は誰にでもあるもの。それに害なく応じてくれる存在として、この「なんもしない人」は、適任なのかもしれない。
派手なことは何も起こらないが、依頼者の心の内が丁寧に描かれていて、なんとなく共感ができる、そんな物語だった。
あまりにも淡々とし過ぎていて、長く見るのはツラいけど、40分というちょうどいい放送時間であることも、良い。話のつながりもそこまで気にせず見られそう。
次回のゲストは、岡山天音。久しぶりの出社についてきてほしいという依頼だ。ゲストのキャスティングも、絶妙にいい感じ。毎回、誰が登場するのかも、楽しみだなぁ。
▶水曜 24:52 テレビ東京
「きょうの猫村さん」 ☆☆☆(3)
あの猫村さんが、実写化!?しかも、松重豊が演じるの!?どういうこと!?と、度肝を抜かれたドラマ化のニュース。だって、主人公は猫なんだよ。それも、おしゃべりをする家政婦猫。
テレ東のWEBサイトのインタビューで、松重さんは、こう答えている。
Q.猫村さんを演じる意気込みは?
A.うちの猫に聞いてみたのですが何も教えてくれません。猫は意気込みを語りません。
なんじゃそりゃ。最高だな。
石田ひかり、小雪、安藤サクラ、染谷将太、濱田岳など、共演の俳優陣も豪華。
坂本龍一が作曲し、松重さんが歌う、ほのぼのとした主題歌もすごくいい。2分30秒という超短い放送時間もナイス。
リアルでは絶対にありえない世界観で、とことんやり尽くしてほしい。水曜深夜は、松重猫に癒されよう。
▶土曜 24:12 テレビ東京
「浦安鉄筋家族」☆(1)
「とにかくパワフルで極端な家族が巻き起こす、エクストリーム・ホームコメディ!」という触れ込み。なおかつ佐藤二朗が主人公を演じるとのことだったので、勝手に「今日から俺は!」みたいなのを想像していた。
まぁ、テンション的には同系統なのかもしれないけど、これ、原作ファンじゃないと、ちょっとついていけないやつだわ。「今日から俺は!」と違うのは、原作を知らない人間を置いてけぼりにする感じだな。
主人公の大鉄(佐藤二朗)は、2分に1秒タバコを吸うようなヘビースモーカーで、なおかつ暴力的で超わがままで非人道的。
彼の長男は、浪人生と言えば聞こえがいいが、ただのニート。二次元にハマって家でゴロゴロばかりしている。まず、かなり序盤でこの2人の登場人物にイラついて、見るのをやめたくなってしまった。
妻役の水野美紀も、イカレた夫と子どもを怒鳴りつけたり、暴力行使に出たりする、なかなかのキャラクターを頑張って演じているのだけれど、疲れる役で大変だな…、昨年末の「笑ってはいけない24時」で、めちゃくちゃにブチキレる女性を演じたことで今回のオファーが来たのかな…と、超客観的に見てしまった。私の心が荒み過ぎなのだろうか…。
舞台は我が街・江戸川区のすぐお隣、浦安。そこで暮らす破天荒な家族が、強すぎるキャラクターの個性を遺憾なく発揮して、リアリティのない、ハチャメチャな出来事をぶちかます。そういうギャグマンガが原作。
思いっきり古びた住まいや、古い車種のごついタクシー、家族の貧しい暮らしぶり。昭和の物語なのかなと思いきや、ディズニーランドもあるし、キレイな新浦安の風景も、新しい東西線の浦安駅も映っているし、どうやら現代を描いているっぽい。
どフィクションとは言え、それがすごくアンバランスで、ちっとも世界観に入っていけなかった。マンガで見たら面白いのかな?週刊誌で連載しているくらいだから、きっと面白いんだろうな。でも、ドラマだけを見た者としては、ただただ違和感が強く、なおかつ疲れるストーリーだったなぁ…。
きっとこういう雰囲気が好きな人もいる。でも、ごめんなさい、私はもういいかな…。