BOOK 4

空飛ぶ円盤が墜落した町へ 北南米編
(佐藤健寿 著/河出文庫/2015年)

私の中学~高校時代のヒーローは、B'zの稲葉さんと、X-FILESの主人公・モルダーだった。1日1枚、ルーズリーフに稲葉さん宛ての手紙を書くことと、毎週水曜日のX-FILES鑑賞が習慣だった。

(X-FILESの主題歌が、B'zの「LOVE PHANTOM」になった時は、狂喜乱舞した)

 

X-FILESのおかげで、私はめっきり、UFOや怪奇現象の虜になった。そっち系のテレビ番組を見たり、図書館でFBI関連の本を借りてきたりして、強烈にそちら方面への想いを募らせていった。

(今でも、生まれ変わったらFBIに入ってX-FILES担当になるのだと、心に誓っている)


社会人になってもその熱は冷めやらず、自分のお金でX-FILESのDVDをゲットしたし、UFOと名の付く番組はほぼ見るし、NASAと書かれたグッズは大人買いしてしまうし、宇宙人と会話ができるという自称「コンタクター」の講演にも行った。相も変わらず好きなものは好きなのだ。

 

そんな私にとって、憧れの地はたくさんある。エリア51、ロズウェル、マチュピチュ、マヤ遺跡…。これらの場所に、死ぬまでに一度でいいから行ってみたい。


そんな私の憧れの地すべてに足を運んでいる男、それが著者の佐藤健寿さんだ。彼のことは、大好きだったテレビ番組「クレイジージャーニー」で知った。その番組では、彼は「世界遺産」ならぬ「奇界遺産」と銘打って、世界各国の不思議な建物、遺跡、廃墟などを撮るフォトグラファーとして取り上げられていた。

 

興味を持ち、彼の著書を探していたところ、見つけたのが本書。佐藤さん、奇界遺産以前に、こんなところに行ってたんだ!と、うれしくなって手に取った。これは、彼がそれぞれの場所へ足を運んだ際の、文章と写真による記録。そこに彼自身が調べた、UFO史やロズウェル事件の概要などが加えられている。

 

もう、どのページも、よだれが出るほどうらやましいレポート。第1章には、UFOの聖地と呼ばれるエリア51へ行った際のことが書かれているのだが、途中で立ち寄った宿場町のレストラン兼ホテル「リトル・エイリン」だけでもいいから、今すぐ行きたい!と冒頭から興奮が隠せなかった。


そのレストラン兼ホテルのオーナーは、エリア51研究の第一人者。そこでは彼を中心に、職業不詳の男たちが集まっては、日々、米政府の陰謀説などについて真剣な討論が交わされているんだとか。
しかも、オーナー特製の「UFOバーガー」を食べながら。何?UFOバーガーって、何なの?不味くても高くてもいいから食べてみたいよ!

 

そして、ここには、マニア心をくすぐる、UFO&宇宙人グッズが所狭しと並んでいるらしい。
佐藤さんも「まるで武道館の開場前に出店に行列を作るアイドルのファンのごとく、ミーハー魂を全開にしてエリア51ポスター、ステッカー、マグカップ、公式ガイドブック、宇宙人エアバルーンなどを手当たり次第購入すると、早くも満足感に浸った」と書いている。


わかる、わかるよ、その気持ち!!!!!

 

もう、いきなり序盤からウハウハな展開なのだが、中盤、終盤も米空軍のUFO目撃事件や、南米の「ナチス円盤開発秘密基地」疑惑、逮捕されるかもしれない恐怖に怯えながら挑んだ「エスタンジア」への潜入など、これでもかという、たまらないエピソードのオンパレード。

 

イースター島のモアイ像、メキシコのミイラ博物館、ペルーのマチュピチュなどのカラー写真もいくつか掲載されており、眺めるだけでもテンションが上がってくる。


最近、これらの場所に行く時のために、英語を学んでおいた方がいいのではないかと、思い始めている。日本語が話せるガイドをつけると高いだろうし、他人を介さず、自分の言葉で質問したりしたいし。


それで、あの著名なオカルト誌「ムー」が発行した「世界のミステリースポットであなたを救う!実践・超日常英会話」という本を買ってみたのだが、それはまた、別の話。