Part1 免疫力についての取材まとめ(2020.4.10)
先日、「免疫力」について、行徳総合病院の医師に取材をしてきた。
記事が今日発行のコミュニティ紙に掲載されたが、文字数の関係で削ったところがあったのと、医師の話し言葉調で書いたものだったので、取材内容を別途、編集し直してここに記したいと思う。
※黒字が取材した内容、青字が私の補足とコメントです。
▶免疫力とは
その名の通り、疫(病気)を免れる力で、誰しもが持っているもの。体内で発生する癌細胞や、外から入ってくる細菌やウイルスなどを常に監視して、それをやっつけてくれる、自己防衛のシステムのこと。
免疫力は、生まれてから徐々に付いてきて、20歳前後がそのピークと言われている。
免疫力には「自然免疫」と「獲得免疫」の2種類がある。
「自然免疫」は、ウイルスなど外から入ってくるものに対するもの。
「獲得免疫」は、一度ある病気にかかったら、その病気に対する耐性が備わるもの。おたふく風邪、風疹などがそれにあたる。
ここで話している免疫力とは、自然免疫のこと。
免疫力が高ければ、ウイルスなどの感染症にかかりにくく、癌などの悪性腫瘍が発生しにくくなる。
低ければ、風邪やインフルエンザなどの感染症、悪性腫瘍の発生、胃腸炎、糖尿病、アトピー性皮膚炎や花粉症などのアレルギー症状、肌荒れ、歯周病、口内炎などさまざまな病気や体調不良の引き金になる。
▶免疫力を上げるには
「規則正しい食生活」「質の良い睡眠」「腸内環境を整える」「体温を上げる」「運動をする」の5つを、長期にわたり実践すること。
<食生活について>
朝食を抜いたり、暴飲暴食をしたり、偏食をしたりせず、きちんと3食、バランス良く食べること。洋食よりも和食の方が、肉、魚、野菜など多様な食材を摂取できて良い。食事をワンパターン化せず、いろいろなものを食べるように心がける。
今、新型コロナウイルスによって、欧米で多くの死者が出ているが、欧米型の食生活による免疫力の低さが一因なのではないかという説もある。食事と免疫力の相関性は大きいと医師は考えている。
※参考/プロサッカー選手などの栄養管理をしている、管理栄養士が「免疫力を上げる食事」について書いた記事。こちらから。
「医食同源」というけれど、本当にそうだな…と実感。摂食障害で苦しんでいた外国人が日本の味噌に出合って健康を取り戻したというエピソードをテレビで見て以来、なるべく味噌を使った食事を摂るように心がけている。体に良いものでも、3日食べただけでは何も変わらない。積み重ねが大切!
<睡眠について>
寝不足は免疫力低下の最大の要因と言っても過言ではない。毎日7時間前後は寝ること。毎日同じ時間に寝起きして、リズムを整える。
質の良い睡眠のためには、寝る前にしっかりリラックスすること。交感神経が優位だと、免疫力が落ちる。入浴する、ストレッチをする、音楽を聴くなどして体と心の緊張を解き、副交感神経を優位にする。
寝る2時間前には食事をしない。消化のために内臓が働いている状態なので、深く眠れない。
※参考/質の良い睡眠について、専門家3人がアドバイスしている記事。こちらから。
Twitterをフォローしている漢方薬の薬剤師が、「とにかく10分でも早く寝る」をしつこいくらいに言っている。長く寝るよりも、早く寝ること。24時に寝て7時に起きるより、22時に寝て5時に起きた方が良いらしい。
<腸内環境について>
免疫細胞の7割は腸内にあると言われている。だから、腸内環境を整えることはとても大切。
おすすめの食材は、食物繊維が多く含まれたキノコや根菜、腸内細菌に良い影響を及ぼす善玉菌が摂れる納豆や味噌などの発酵食品。また、乳酸菌が摂れる乳製品など。
※参考/腸内環境について特集したNHKスペシャルのまとめ記事。こちらから。
とは言え、キノコだけ食べていればよいというわけではない。肉、魚、野菜をバランス良く食べること!
<体温について>
体温が1度下がると、免疫力が30%と下がると言われている。ベストな体温は36.5度。
体を冷やさないように、コーヒーや紅茶などカフェインが含まれているものは、ほどほどに。生姜やニンニク、根菜など体温を上げる食べ物を摂るように。入浴は非常に効果的。面倒でもシャワーではなく、湯船に浸かること。
※参考/体温と免疫力の関連性について書いた医師のコラム。こちらから。
生姜を毎日のように摂っているし、湯船にも浸かっているのに、平熱35台なのはどうしてなのだろう…とへこむこともあるが、湯船に浸かっている時に菌が死んでいるはず!と前向きにとらえて頑張るしかない。
<運動について>
運動をすると血流が上がって体が温まるし、筋肉がついて代謝が上がると体温が上がりやすい。運動にはリラックス効果もある。なにも激しい運動でなくても良い。軽く汗をかく程度、15分ほど歩くだけでもOK。ストレッチ、散歩を心掛けること。
※参考/ここ10日ほど、この2つの動画を見ながら、毎日少しの運動取り入れてます。スクワット&プランク)
平熱が少しでも上がるように、そして代謝が上がるように、筋肉をつけなければ。最近テレビで見た美木良介の「ロングブレス」もトライしたけど、結構効く!
<その他>
なるべく太陽の光を浴びよう。日光を浴びると体内でビタミンDが発生し、免疫力を高めてくれる。
作り笑いでも良いから、笑顔でいよう。笑うことで発生するセロトニンは、ナチュラルキラー細胞とも呼ばれ、癌や認知症を抑制する効果が発表されている。
※参考/日光浴と免疫力の関係性について書かれたニューズウィークの記事。こちらから。
※参考/笑うことと免疫力の関係性について書かれた全日本民医連の記事。こちらから。
「病は気から」と言うが、ほんとそうだわ…と思う。ツラいことばかり考えていると、なんとなく体の調子が悪くなる。何でもいいから、ツラいことを忘れられるような時間を意識的に作ること!
普段、仕事や学校など知らずのうちに集中、緊張している場にいる人は、帰宅したらしっかりリラックスして交感神経を副交感神経にチェンジすることが大切だが、逆に普段、集中や緊張をしない人は別。
ダラダラテレビを見て、誰ともコミュニケーションをとらないで過ごすのも、交感神経と副交感神経のメリハリがなく、NG。
ある程度、運動をしたり、人と話したり、刺激のある時間を過ごすこと。
タバコは百害あって一利なし。高血圧、癌因子となりうる。新型コロナウイルスの患者も、喫煙者は重症化しやすい傾向にある。
お金をかけなくても、3度の食事と少しの運動、規則正しい生活で免疫力は上がっていく。高齢者でも、しっかり気を付ければ免疫力を上げることは可能。外出できなくても運動はできる。すべては心がけ次第。
私は、2年ほど前から、1日1本のヤクルトと湯船に浸かる習慣を続けている。それまで3カ月に1回は風邪をひいていたのだが、年に1回程度に減少。免疫力アップの効果を実感している。ありがとう、ヤクルトとお風呂!
ローマは一日にして成らず。1週間良い習慣を続けたところで意味がないから、月、年単位でコツコツと。
※参考/ヤクルトと免疫力の関係性について書かれたヤクルト研究所の記事。こちらから。私はヤクルトのまわし者ではありません。)